既存作品分析

「ユーリ!!!onICE第五話」を分析してみた

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既存作品ザックリ分析

作品名:ユーリ!!!onICE

形式:連続アニメ作品、第五話

長さ:23分(OPEDテーマソング含む)

公式サイト:http://yurionice.com/

 

!注意!

この記事は、完全にネタばれを含んでいます。

 

主な想定読者

・分析作品から、物語の型を学ぼうと思う創作者で、その中でも、脚本術等を、好きな作品で学びたい人。

・分析作品を既に見た作品のファン。

・分析作品を見る予定は無いが、単純に内容を知りたい人。

 

分析で分かる事

物語のオチは、もちろん正確には分かりません。

分析によって分かるのは、主な物語の構造や、各要素の役割です。

 

「ユーリ!!!onICE」を分析

主人公(役割):勝生勇利

導き手:ヴィクトル・ニキフォロフ

対抗者:ユーリ・プリセツキー

協力者:長谷津の人々

 

バックストーリー

 

オープニングイメージ

 

中四国九州大会。

シーズン初戦。

参加者最年長の勇利は、持ち前のクジ運の悪さで一番滑走が決まる。

嘆いていると、みなみ選手が勇利に憧れの眼差しを向けるが、勇利はみなみ選手を覚えていない。

 

ミッドポイント、対抗者の動き

ヴィクトルが記者達を前に、勇利のピークはグランプリファイナルに合わせているから問題無いと語っている。

今日は気楽なので、パーソナルベストを出してくれる筈と語るが、勇利はヴィクトルに自身のメンタルの弱さを全力で説明する。

去年の全日本では、ノーミスならぬ全ミスで、怪我を心配された事を聞き、ヴィクトルはワオと驚く。

 

飼い犬そっくりのティッシュケースを抱えたヴィクトルは勇利を応援するが、不安で余裕の無い勇利はヴィクトルのノリに付き合えない。

自分がグランプリシリーズで戦える実力が本当にあるのか確かめようと練習していると、みなみ選手の熱い視線を感じる。

みなみ選手のコーチの集中しろと言う言葉が勇利にも響く。

応援に来た西郡とミナコ先生の所に、ヴィクトルを探す勇利が焦りながら走ってくる。

ヴィクトルは正装でしっかり決めて女性ファンに囲まれていた。

勇利はヴィクトルになんで着替えているか聞くと、華々しいコーチお披露目試合だから正装で然るべきだと言う。

選手より目立つヴィクトルに、西郡とミナコ先生は微妙な眼差しを送る。

 

演技前にコーチが選手を送り出す奴をどうしよっかとヴィクトルは楽しそうに考えているが、勇利は余裕が無く何もせずにリンクで滑り始めてしまう。

勇利の緊張をミナコ先生が気付き、心配する。

練習時間終了で戻ると、構ってくれないぐらいに緊張した勇利をヴィクトルがピリピリムードで迎える。

勇利に後ろを向いてと命令すると、ヴィクトルは勇利に思いっきり抱きつく。

赤面する勇利と、写真を撮りまくる記者達。

 

ヴィクトルは、勇利の耳元で全力で俺を誘惑しろと囁く。

俺を魅了する演技が出来れば、ここにいる全員が勇利に夢中になる。

いつも練習で言っているだろう。

ヴィクトルの言葉によって、グランプリシリーズへの意識ではなく、いつもの練習通りやる事に気持ちを切り替えた勇利は、美しいカツ丼をイメージして滑りだす。

勇利は、滑っているうちに練習を思い出したりしている内に、演技後半に向かうにつれて徐々に邪念に変わっていきジャンプと演技の両立が出来ない。

ジャンプもミスし、戻るとヴィクトルにジャンプに意識が行ってしまい演技が疎かになっていると怒られる。

しかし、観客は喜び、パーソナルベストも10点近く更新した94.36点をたたき出し、公式記録にはならないが世界歴代記録トップ10入りする高得点だと絶賛され、勇利は喜ぶ。

ヴィクトルは、プレッシャーが無いなら100点台くらい行くかと思ったと自分を基準に勇利のテンションを現実に戻す。

ヴィクトルは、今日の滑りを見て、明日滑るフリーは、ジャンプの難易度を下げて演技に集中するように言う。

勇利は、でもと言うが、GPファイナルに合わせるのが第一だし、コーチの言う事聞けないの?とヴィクトルに押し切られてしまうが、勇利は返事をしていない。

 

みなみ選手が勇利の滑りを絶賛し、滑りに行く。

勇利はヴィクトルと明日の意気込みの取材を受けていた。

そこに戻って来たみなみ選手が勇利に、自分の演技を見ていたか聞きに来ると、勇利は取材中で見ていないと言い、落ち込むみなみ選手は、勇利をリスペクトした衣装まで着て来たとジャージの前を開けるが、その衣装は勇利にとっては黒歴史衣装だった。

勇利ファンのみなみ選手は、黒歴史なんて勇利君には無いし、ずっと憧れて追いかけて来た自分を馬鹿にしないで下さいと言われる。

明日の試合、手を抜いたら承知せんぞと宣戦布告され、勇利は困るが、記者とカメラマンは喜ぶ。

記者がみなみ選手のプロフィールをテレビ用に言うと、勇利はみなみ選手を思い出し、以前自爆した自分より点が良かったみなみ選手だと思いだし、明日のプレッシャーが再び強まる。

 

2日目、カメラサービスも欠かさないヴィクトル。

勇利は、みなみ君にライバル意識を燃やして、演技の構成をヴィクトルと決めた難易度を下げた物で良いのか悩む。

みなみ選手が勇利に鼻息荒く意気込みを目で送るが、再び余裕の無い勇利は無視してしまう。

練習から戻ると、ヴィクトルが他人のモチベーションを上げられない人間に自分のモチベーションは上げられない、ガッカリしたよと立ち去られ、勇利はヴィクトルが下げた僕のモチベーションはどうなっちゃうのと激しく憤り動揺する。

本番で、緊張するみなみ選手、テンションの下がっている勇利はコーチの教えを実践し、みなみ君のモチベーションを上げようと大声で声援を送る。

その声はみなみ君に届き、みなみ君は涙を浮かべて喜ぶ。

その勇利の姿を見ていたヴィクトルは、陰ながら喜ぶ。

みなみ君の演技を見入る勇利と観客達。

調子に斑のある感じに勇利は昔の自分と重ねながらも、才能を認めてその場を離れる。

勇利は、イヤホンをし、自分の本番に備えてストレッチを始める。

みなみ君はパーソナルベストを叩きだし、他の選手達が続々と滑りだす。

遂に来た勇利の番。

みなみ選手の背中を叩き、勇利は健闘を称える。

ヴィクトルは衣装を褒め、割れた唇のケアをし、ハグをし、勇利を送り出す。

だが、勇利の表情は、いつもヴィクトルに向けられていた物では無く、プレッシャーに押しつぶされそうな物でも無かった。

ミナコ先生と西郡だけが、あいつ負けず嫌いだからと、その表情の意味を悟っていた。

 

いよいよ滑り始める。

勇利の人生を表現した曲、ユーリオンアイス。

ヴィクトルは勇利の演技を見ながら、最初のジャンプで勇利の異変に気付く。

失敗では無く、構成を勝手に変えて来た勇利に、コーチとして憤りつつも、失敗をすれば気持ちを切り替えて演技に集中するように祈る。

ヴィクトルは勇利の演技から目が離せず、やがて分析も止め、純粋に勇利を見つめる。

最後にジャンプに失敗し、勇利が壁に激突し鼻血を出しながらも、演技をやり終えると観客からは盛大な拍手が沸き起こる。

ヴィクトルは、コーチの言う事を聞かないのは誰に似たのかと考えるが、自分だと行きつき、ヤコフならすぐに説教だったが、観客や、落涙の感動を見せるみなみ選手を見て、勇利をハグで迎え入れる。

しかし、鼻血が付くと、避けてしまう。

大会は勇利の優勝が決まり、鼻にティッシュを詰められた勇利は、喜びのハグをしながら笑顔でダメだしを始めるヴィクトルに絞められて死んだ目で震える。

そこに、負けたが勇利を称えに来たみなみ選手が再戦とサインを申し込みに来ると、勇利の目が生き返る。

ミナコ先生は感動の涙で、後輩にライバル意識丸出しだけど感動したと伝え、西郡は無茶をして怪我をしたらどうすると説教をするが、当の勇利は途中後半から、負けたくないで無く楽しくなってきてよく覚えていないが、人生で一番楽しい滑りだったと語る。

 

優勝して壇上で皆に称えられる勇利に、ヴィクトルは拍手を送る。

その頃、勇利とヴィクトルの大会優勝の写真を見ていたユリオはスマフォを壁に殴りつけて切れていた。

 

記者会見で勇利は今年のテーマの発表を行っていた。

恥ずかしそうに出したテーマは愛。

今までのスケート人生で、いろんな人に助けられながらやって来たが、愛について考えた事は無かったと語る。

環境に恵まれていたのに、活かしきれず、一人だで戦ってきたような気持だったと言う。

ヴィクトルが目の前に現れ、見ていた景色が一変し、コーチとの絆、家族、地元に対する微妙な気持ち、自分の周りにある愛の様な物に気付く事が出来た。

勇利は、始めて自分から繋ぎとめたいと思えた人物がヴィクトルで、その感情に名前は無いが、あえて愛と表現し、愛を知って強くなったボクはGPファイナルの金メダルで証明すると宣言する。

それを旅館で集まってテレビで見ていた地元の人達は、微妙だったんだと呆然とする。

ヴィクトルはダサいネクタイを燃やして、中国大会までに新しいのを買おうねとマイペースだ。

 

その頃、ヴィクトルにライバル意識を燃やすチェレスティーノコーチが、教え子のピチット選手が中国大会で優勝すると確信する不敵な笑みを浮かべていた。

ピチット選手はコーチに今のジャンプを録画していた聞くが、コーチはカメラの電源を入れるのを忘れていた。

少しでも早く今のジャンプをネットにアップしたいのにとピチット選手。


第五話終わり

 

現状の分析結果

コンセプト:スポコン(普遍性)×男子フィギュアスケート(新規性)

モチーフ:男子フィギュアスケート、特別強化選手、世界大会

主人公のテーマ:勇利は自分の殻を破れるか?

物語のメインテーマ:勇利は大会で優勝出来るのか?

物語構造:旅物語、スポーツ

葛藤環境:ヴィクトルがコーチをしてくれるには、試練を乗り越えないといけない

主人公の動機:未来への投資行動。ヴィクトルにコーチをしてもらい、一緒にカツ丼を食べたい

欲求:承認

面白さ:リアリティ(男子フィギュアスケート)、予測不能(勇利は戦えるのか? 国内大会で勝てるのか?)、感情移入(対抗者に勝てるのか? 憧れの存在)

 

BD

※記事の内容は、訂正、追加、更新等する事があります。

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