どういった作品が二次創作を作られるのか?【本当に面白い作品は、必ずパロディを生む?】

本当に面白い作品は、必ずパロディを生むか否か

先日、Twitterで気になる話題が流れてきた。

概要としては「本当に面白い作品は、必ずパロディを生む」と言う岡田斗司夫さんの発言に対して、名指しされた芸人で絵本作家のキングコングの西野さんが「雑な評論」と言い、そこに2チャンネル創始者のひろゆきさんが「メディアミックスを多くやると、二次創作が生まれづらくなるの法則がある気がする」と独自の分析を被せる、と言った内容だ。

気になったので、じゃあ、どういった作品が二次創作を作られるのか、また、面白くても二次創作を作られないなら、その原因はどこにあるのかを、ゆるく軽く調べてみたく思い、ノリと勢いで記事を書き始める。

気になった前提情報

キングコングの西野さんが2020年12月25日に映画「えんとつ町びプペル」を公開し、話題となった。

原作の絵本自体は、2016年10月21日に発売されたものだ。

この作品は、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞作の一つ(他にヴァイオレット・エヴァ―・ガーデン、鬼滅の刃 無限列車編、ジョゼと虎と魚たち、スタンド・バイ・ミー・ドラえもん2)だ。

2021年1月17日時点では、観客動員数100万人、興行収入14億円を記録しているらしい。

(現在日本映画興行収入ランキング1位の鬼滅の刃は、2020年10月16日から2021年1月24日までの累計で、動員2667万人、興行収入365億円を突破)

そんな作品に対して、切れ味の良い評論に定評のある岡田斗司夫さんが、こんな動画をアップした。

ザックリ要約すると、

  • 「プペルは感動ポルノ」
  • 「プペルは思想性が低い作品で、ジブリ作品は思想性が高い」
  • 「本当に面白い作品は、必ずパロディを生む」

的な事を言っている。

ふむふむ。

そこに、ひろゆきさんが

電車男と東方を引き合いに、メディアミックスとの相関関係を推理している。

では、実際どうなのだろうか?

順に考えていきたい。

調べ方

以前、「大ヒット作品」の必須要素を考察してみたで、ヒットしたアニメ作品を色々と調べた事があった。

アニメ映画と言う括りで、おすすめ!映画歴代興行収入ランキング・トップ50等の記事も合わせ、今回はそこら辺をデータとして一部再利用したり、検索・調査する事で調べていく。

実際にプペルの二次創作は多いか少ないか?

あくまでも一つの指標だが、pixivで検索してみた。

出来ればプペルと表現媒体、メディアミックス量、露出時期、等が近い作品と比較したかったが、ちょうど良い対象に覚えが無いので色々なアニメをメインに見て行く。

1月31日現在「プペル」で検索すると63件のファンアートがヒットする。

話題の中で登場した「ジブリ」で検索すると、複数作にまたがる為に比較対象にはならないが30,747件のファンアートがヒットした。

「電車男」で検索すると65件

「東方」だと2,330,124件。(多分、東方不敗とかも入ってくる)

「東方Project」だと498,450件。

局所的過ぎるデータなので、正直、判断がつかない。

そこで、検索の範囲を別の作品に広げて見る。

アニメ映画の興行収入順に見ると

  • 鬼滅の刃:188,162
  • 千と千尋の神隠し:6,765
  • アナと雪の女王:10,729
  • 君の名は。:10,870
  • ハウルの動く城:4,216
  • もののけ姫:5,360
  • 崖の上のポニョ:1,769
  • 風立ちぬ:1,395

と、pixivで検索できるファンアート数は、このぐらいあるらしい。

プペルをアニメ映画と言うくくりで見ると、pixiv内でのファンアート数のひらきは確かに存在する。

だが、確かに作品の内容や客層を考慮に入れると、「ジャンプ」「ジブリ」「ディズニー」と比較するべき作品かは疑問が残る。

残っているが、一旦他の作品とも比較させてもらう。

円盤の販売枚数の上位を、興行収入で触れた作品を抜いて比較対象に入れていく。

この中に、似たファンアートボリュームの作品は、あるだろうか?

  • となりのトトロ:3,248
  • 風の谷のナウシカ:3,709
  • 天空の城ラピュタ:2,264
  • 魔女の宅急便:5,415
  • ヱヴァンゲリヲン:9,354
  • 紅の豚:1,070
  • 猫の恩返し:987
  • 火垂るの墓:258
  • 平成狸合戦ぽんぽこ:117
  • 耳をすませば:868
  • ゲド戦記:430
  • おもひでぽろぽろ:84
  • ガールズ&パンツァー:103,144
  • 妖怪ウォッチ:54,700
  • エヴァンゲリオン:47,597
  • ラブライブ:346,201
  • おそ松さん:227,200
  • ソードアート・オンライン:30,255
  • コクリコ坂から:749
  • 進撃の巨人:149,408
  • 化物語:34,307
  • 魔法少女まどか☆マギカ:222,228
  • ユーリ!!!onICE:33,124
  • 機動戦士ガンダム:31,652
  • うたの☆プリンスさまっ:82,334
  • マクロス:41,237
  • NANA:17,103
  • コードギアス:29,973
  • サマーウォーズ:12,281
  • けいおん!:79,349
  • Fate:679,752
  • FGO:419,842
  • Fate/staynight:41,389
  • GRANBLUEFANTASY:5,459
  • グラブル:75,234

こうしてみると、二次創作・ファンアートボリュームは「平成狸合戦ぽんぽこ」と「おもひでぽろぽろ」の二作が、大ヒット作の中では比較的近いのが分かる。

どちらもジブリの高畑勲監督作品で、エンターテイメント的な気持ち良さよりも表現へのこだわりや表現の上品さに重きを置いて作られた名作だ。

しかし、まだ、同じくくりの作品かと言うと、微妙に思える。

そこで、更に他に、気になった検索ワードをいくつか加える。

  • ディズニー:44,878
  • ミッキー:6,321
  • マーベル:8,087
  • スターウォーズ:8,104
  • ハリーポッター:6,138
  • 艦これ:852,604
  • 刀剣乱舞:309,739
  • ポケモン:840,744

西野さんがライバルと設定しているディズニーは、歴史と作品数の多さから、このぐらいボリュームがある。

他に、ファンアート制作が盛んそうなキーワードをいくつか調べたが、ファンアートが頻繁に製作される作品の方の共通点は少し見えて来そうな気がする。

そこに行く前に、アカデミー賞を同時受賞した他のアニメも見てみる。

  • ヴァイオレット・エヴァーガーデン:6,389
  • ジョゼと虎と魚たち:80
  • ドラえもん:32,942

「ジョゼと虎と魚たち」のアニメ映画は、ボリューム数的には、かなり近い。

他に、例えば子供向け、一般向け等のアニメ作品で見ると、ファンアート数はどうだろうか?

  • 忍たま:132,780
  • クレヨンしんちゃん:11,838
  • サザエさん:4,600
  • ちびまる子ちゃん:7,186
  • あたしンち:990

他に古い作品の場合は、

  • 鉄腕アトム:2,861
  • 未来少年コナン:845
  • 銀河鉄道999:2,136
  • 宇宙戦艦ヤマト:20,230

と、なる。

う~ん。

まあ、なんとなく、雰囲気は分かってきた。

法則を推測

興行収入と円盤売上枚数

まず、興行収入や円盤の売上と、ファンアート数の相関関係は必ずしも見当たらない。

知名度や人気度を測る上では大事な指標なので、それらが多い方がファンアート数も多くなりやすいのは間違いないが、それだけで決まる様な物では無いらしい。

ここは、まあ予想の範囲内。

メディアミックス量

マルチメディアやメディアミックス展開が多いほど、ファンアートは減るかどうか?

「東方シリーズ」は、多メディア展開は確かに少ない。

そういう意味では、正しそうだが、アニメが存在せず、メイン媒体がゲームの作品と出来れば比較したい存在だ。

例えば、2020年に大きな話題となった

  • サクナヒメ:876
  • ヘルテイカー:1,806

で、このボリュームだ。

新しすぎて比較対象として微妙か。

反対に、ファンアートや二次創作が多いのに、メディアミックスしている作品を見てみよう。

「FGO」「艦これ」「刀剣乱舞」「ポケモン」あたりが、「東方」と並ぶレベルでファンアートが作られているが、メディアミックスが盛んな作品だ。

次に、メディア展開量で「えんとつ町びプペル」を比較するなら、比較物として絵本、舞台、アニメ映画をメインの媒体とした作品も見たい。

  • アンパンマン:17,458
  • ゾロリ:1,383

ここら辺だろうか?

どちらも、歴史が長すぎて比較が難しい。

いずれにしても、メディアミックス量とファンアート数は、興行収入と円盤売上枚数と同じぐらいの薄い相関関係に見える。

これも、コンテンツの提供料が少ない事で、ファン達が自発的に作品世界を広げようと活動すると言う傾向が現れる可能性は大いにあるが、これだけでファンアートが多く生まれる事は無い。

他の、何らかの要因が必ずある筈だ。

キャラクター

そこで、次は作品に登場するキャラクターに注目したい。

作品のヒット具合やメディアミックス量がある程度以上あると、ファンアート量はむしろ登場するキャラクター数の方に引っ張られる気がする。

つまり、ファンアートで描く物は、結局は好きなキャラクターであり、描きたいキャラクターが登場しているかどうかが、ファンアート量に繋がると言う事だ。

そこで、ヒット作かつ、その登場キャラクター数が多ければ、それだけファンアートを描きたくなる筈、と言う仮説だ。

その視点で見て行くと、キャラクター数が多い作品の方が、ヒット具合としては劣っていても、ファンアート数は圧倒的に多い傾向がある事が分かる。

キャラクター数が少ない作品の場合は、少数のメインキャラの中にメガヒットキャラクターが存在している事で、ファンアート制作に繋がったと考えられそうだ。

一方で、作品としてはヒットしたが、キャラクター数が少なく、メガヒットキャラにも恵まれなかった作品は、ファンアートが少ないと言えそうである。

そうなると、恐らく、作品の総合力やプロモーション力でヒット作となるが、なぜかファンアートが作られづらい状況が生まれる事が予想出来る。

となると、「本当に面白い作品は、必ずパロディを生む」と言う意見は一定の正しさはあるが、同時に条件がある事が分かる。

  • 「本当に面白い作品は、必ずパロディを生む」が愛されるキャラクターがいないとファンアートが作られない
  • 魅力的なキャラクターがいる作品が面白い作品の絶対条件で「本当に面白い作品は、必ずパロディを生む」

的な感じだろう。

その他要因は?

他にファンアートを作られる条件は、何があるだろうか?

創作者に好まれるか否かは、大いに関係あると思う。

ファンアートを作る事に抵抗が少ない人に好まれる方が、生産確率が上がるのは当然だろう。

作者や作品のファンに、クリエイターやアーティストが少なければ、それだけファンアート数は不利に働くはずだ。

これは、ブームや話題の大きさよりも重要に思える。

岡田斗司夫さんが言うように「オタクは自分の好きな物は探し出してまでファンアートを描く」と言うのは、恐らく合っている。

あと、美男美女キャラや、描きやすい記号化、デフォルメがある方が、絶対に描かれやすいとも思う。

描きたい、描きやすいは、描くまでのハードルを下げる筈。

終わりに

と言う事で、本ブログの暫定的な「どういった作品が二次創作を作られるのか?」の結論ですが、ヒットするだけの作品としての土台がシッカリしている事を条件に、ファンアートや二次創作を描きたいぐらい魅力的なキャラクターが登場している事が、当たり前な答えですが重要に思えました。

あと、ネタとかクソコラもファンアートに入れると、強烈で印象に残るシーンも重要な気がします。

とりあえず、今回の調査はこんな感じ。

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