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単体映画として完成度が凄く高い一本
「ザ・バットマン(THE BATMAN)」を見たので、感想をば。
新たな映画バットマンの可能性を感じる良作でした。
バットマンとは?
バットマンは、DCが誇るヒーローコミックの看板タイトルの一つで、これまでも大勢のアーティスト達によってコミックが紡がれ、何度もドラマ、映画、アニメ、ゲームと作られてきた大人気作だ。
本作は、そんなバットマンの映画(2022年現在)最新作である。
基本は、大富豪である両親を強盗殺人事件によって亡くしたブルース・ウェインが、相続した財力と鍛え上げた肉体を駆使してバットマンとなって、凶悪犯罪が蔓延るゴッサムシティの平和を守ろうとする物語である。
ザ・バットマンは、どんな話?
<内容>
優しくもミステリアスな青年ブルース・ウェイン。
公式引用
両親殺害の復讐を誓い、悪と戦う“バットマン”になって2年が過ぎた。
ある日、権力者を標的にした連続殺人事件が発生。その犯人を名乗るのは、史上最狂の知能犯リドラー。
彼は犯行の際、必ず“なぞなぞ”を残し、警察や世界一優秀な探偵でもあるブルースを挑発する。
最後のメッセージは「次の犠牲者はバットマン」。リドラーはいったい何のために犯行を繰り返すのか?
そして暴かれる、政府の陰謀とブルースにまつわる過去の非道や父親の罪…。
すべてを奪おうとするリドラーを前に、ついにブルースの良心が狂気に侵蝕されていく――。
ってな感じ。
ゴッサムシティの市長が何者かの手によって殺害される所から物語は始まる。
殺害現場には、バットマンに充てられた手紙とクイズが残され、バットマンはゴードン警部補と共にクイズを解きながら、犯人を捕まえようと捜査を開始する。
しかし、覆面の犯人リドラーの連続殺人を止められぬまま、次々と事件現場に残されるクイズを解く中で、バットマンとゴードンの二人はゴッサムシティに蔓延る根深い腐敗と汚職、過去の罪まで暴く事になってしまう。
バットマンの設定を使った、上質なサスペンス
本作は、3時間近い尺もそうだが、それ以上に設定の使い方が非常に贅沢かつ上手い。
歴代のバットマンの中でもリアル志向で、バットモービルやバイクが登場こそするが、ハッキリ言って地味目だ。
あくまでも、スーパーヒーローやスーパーアイテムよりも、人間ドラマとサスペンス要素に重きが置かれている。
とは言っても、バットマンを見たい人が満足するだけのガジェットの活躍やアクションも描かれていて、バランスが凄く良い。
リアルにした設定と新解釈
リドラーはテープマスク姿で、劇中ではスーパーヴィランと言うよりは、劇場型犯罪を画策する知能犯と言った感じ。
キャットウーマンもスーツやらコスプレと言うよりは、覆面の縫い目が猫耳に見えるだけ。
ペンギンも、ファルコーネも、ヒーローコミックに登場する外見的特徴を強調された悪役では無く、いてもおかしくないライン。
ゴッサムシティで浮いた存在は、むしろバットマンだけと言う状態で、世界観が構築されている。
なので、バットマンだけが超ハイテクで全身武装した状態で、バットマンっぽさが鳴りを潜めたリアルなリドラーの仕掛ける計画を止めようと奔走する事になる。
そう言う意味で、バットマンは浮いた存在と言える。
本作は始まった段階でバットマンはゴッサムシティで認知され、バットシグナルも運用済みの状態で始まる。
だが、バットマンで無ければ解決不能な事件は起きず、本作でバットマンはリドラーに利用される様な状態だ。
では、バットマンは過剰な武装をしたコスプレ自警団なのかと言うと、それも違う。
ヴィランと言う記号的な、アンチヒーローな存在こそ出て来ないが、ゴッサムシティは腐り切っていて、その対処をする為には、バットマンと言う抑止力の象徴となり、法の外にある実行力となり、圧倒的な技術力と財力を持っていても、足りない。
本作でバットマンは、リドラーと言う町を脅かすヴィランと戦うには戦うが、その図式は過去作とは大きく違い、ダークナイト3部作やジャスティスリーグ時空よりも、むしろ単体映画としてのジョーカーに近い。
バットマンの戦う相手は、ゴッサムシティが生み出した社会的な怪物であり、その存在はリドラーと言う覆面を付けているが、ヴィランと言うよりは、社会の不公平や不正に対して怒る復讐者だ。
そんな相手に、そんな相手を産み出すシステムに個人が立ち向かうには、過剰な武装や装備があっても十分ではない。
単体映画として、まとまりが良い
本作は、バットマンVSリドラーを描きつつ、そこにリドラー捜査の為に、バットマン&キャットウーマンVSペンギン&ファルコーネが加わり、それらの登場要素が3時間弱の尺の中で綺麗に解決する。
それらの要素は綺麗に一本の線で繋がる様に設定され、浮いた設定が無く、まとまりが本当に良い。
アクションが非常にカッコいい
ヒーローと言えばアクション。
本作のバットマンは、防弾スーツなのを良い事に、重火器相手にバットラングとグラップルガンと拳でゴリ押ししていく。
相手を殺さない様にするが、無力化の為に殴っていくアクションがイカしている。
アクションの描き方も、闇と光、明暗を活かした演出が多く、画としても魅せてくれる。
また、カーチェイスや滑空スーツと言ったスピード感があるシーンも結構あって、満足度は高い。
終わりに
圧倒的にサスペンス要素に重きを置いた作りは、従来のバットマンを求めている人には刺さらないと言う人もいるかもだが、新しい可能性の提示としては、滅茶苦茶良かったと思った。
歴代バットマンの中でも若いのに心が草臥れて疲れている感が強い雰囲気は新しかったが、リアル寄りの設定としては、これって感じで良かった。
キャラクターとしては、ペンギンが可哀想で良かったかな。



