【ネタバレあり感想】「ONI~神々山のおなり」を見ました。

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圧巻の画作りと大どんでん返し

ネットフリックス配信作品「ONI~神々山のおなり」を見たので、感想を。

プロモーションとか評論家の評判は良いけど、個人的には、トータルで見ると、まあまあって感じかな。

ただ、画作りは、マジで凄い。

ONI~神々山のおなりとは?

ピクサー出身のロバート・コンドウと堤大介の二人が立ち上げたトンコハウス制作のアニメーション作品。

トンコハウスは他に「ダム・キーパー」等を制作している。

「ONI~神々山のおなり」は、タイトルの通り、日本の「鬼」や「神」等をモチーフとした作品で、CGとストップモーションを融合させた手法で制作されている。

あらすじ

  • <内容>
  • 神様や妖怪たちが暮らす神々山は、邪悪なONIの脅威にさらされていた。おなりはONIに立ち向かうべく、自分の中に潜む”クシの力”をヘンテコで謎の多い父から学ぼうとするのだが…。
公式引用

画面の情報量

なんといっても本作で目を引くのは、画面を埋め尽くす背景美術の圧倒的な情報量の多さとリアリティだ。

主人公おなりが暮らす神々山の、スケールが大きく豊かな自然と、神と妖怪達が生活する素朴だが温かみのある村の描写は、本当に素晴らしい。

キャラクターが良い

背景がリアルに描かれる一方で、キャラクター達はデフォルメされ記号的で、端役に至るまで個性豊かで非常に魅力が溢れている。

声優陣もプロモーション目的の下手な俳優の起用など無く、実直に選ばれていて、その点でも好感が持てる。

2話ラストの大どんでん返し

ここからは、特にネタバレ注意だ。

本作は、神々山を舞台に物語の大半が進んでいくのだが、2話ラストから3話にかけて、なんと、日本のとある地方都市が舞台となる。

良い意味で荒唐無稽な神と妖怪が暮らす楽園の様な世界が、実は、異世界に繋がる橋で現実と地続きの世界と判明する展開があるのだ。

そして、神と妖怪が「ONI」と呼び、恐れている存在が、実は環境破壊をする人間と言う事が分かってくる。

メッセージ性

恐怖や理解出来ない事からの他人への拒絶や差別、そして、その環境を形成する大多数と違う事で起きる疎外感等を問題とし、どんなにイメージが怖くて違う存在でも分かり合う事が出来て、共に生きる事が出来る事を描いている。

その為に、神と妖怪の世界で神の子として育てられた、実は人間で、神々山の者からするとONIのおなりを主人公とし、3話で登場する日本で暮らす日本オタクの黒人少年カルヴィンをメンターとして、物語はテーマを描きだし、メッセージを伝えようとしている。

日本オタクと言う設定は、外国人と言う余所者だからこそ分かりやすく、カルヴィンはテーマにマッチした存在として、おなりと似た環境を先に生きてきた先輩としておなりを導く。

異界に暮らす人の子と、日本に暮らす外国人と言う、ある意味で似た状況を使って分かりやすく伝えたいメッセージを描いている点は良いし、分かりやすい。

と、良い所は良い。

ここからは、気になった所だ。

物語として、ちょっと詰めが甘い

多少のガバぐらいなら、良い所に免じて許してしまいたい気持ちもある。

だが、本作は、視聴後感が絶妙な違和感を残し、非常に勿体無い。

1話目では、神や妖怪が、もうすぐ訪れる鬼月と呼ばれる鬼が現れる期日までに村の戦力を強化しようと、学校で神や妖怪が持つ特殊能力「クシの力」の修行を始める。子供達は親のクシから自分の力を知っている子も多く、親と違くても自分のクシに気付いている。その中で、謎の赤鬼なりどんを父に持つおなりは、いつもマイペースにのんびりしているなりどんのクシを見た事が無く、自分のクシも分からない。1話のラストで、なりどんが神々山の英雄、赤鬼で無く雷神様だと判明し、雷神の強力なクシ獲得がおなりの目標となる。

2話目では、なりどんの弟である風神の風太郎がやって来て、おなりは修行を開始するが、しかし、雷神の雷太鼓を叩いてもクシは発現せず、鬼月の前日なのにクシが芽生えず、おなりは母親の手掛かりを頼りに神々山を後にする。

3話目では、鬼の村、実は人の世界の町に、迷い込んでしまう。おなりは町を彷徨い、母と、自分のクシの手掛かりを探すが徒労に終わる。その中で日本オタクのカルヴィンと出会い、助けてもらい、神々山に戻る事に成功する。しかし、神々山にショッピングモール建設の危機が迫る事が分かり、人と言うONIは道具や科学と言うクシを使う存在で、おなりが赤子の頃、なりどんと風太郎が起こした嵐が起こした交通事故の被害者の子で、なりどんが罪の意識で自分の子として育てていた事が分かる。

4話目では、神々山では不穏な空気が漂い、おなりは山を追放され、風太郎がONIが攻めてくる前にONIを殺そうと決起を呼びかけ戦争の準備が始まる。おなりはカルヴィンと再会し、契機を得て神々山に戻る。神々山では人では無く、鬼月の影響で怪物と化したなりどんがONIになり、村を襲っていた。おなりの姿を見て風太郎もONIとなり、他にも恐怖心に支配された神と妖怪がなりドンを止める為に内輪での争いが始まるが、なりどんが強すぎて手が付けられない。そこでおなりがなりどんの前でクシの修行の踊りを舞い、神々山全ての神や妖怪、カルヴィンまで加わった舞いによって、神々山に受け入れられたおなりのなりどんの娘だと言う言葉によってなりどんは自身の雷を身に受けて正気に戻る。風太郎はおなりの英雄譚を広める為に旅立ち、カルヴィンがネットに流した画像によってかショッピングモール開発が中止となり神々山が救われ、おなりとなりどんが改めて親子として暮らす事で物語が終わる。

劇中、おなりはONIと戦う為にクシを求めて教わった舞の修行をし、神や妖怪がとらわれた恐怖と言うONIを教わった舞によって仲間である事を示し晴らす事で神々山を救う。

その点では、筋が通っている。

問題は、作品全体のONIと言う概念の扱いだ。

まず、風神雷神と言う鬼モチーフの神が鬼と言う存在と似ていて、地味な引っ掛かりを持っている。

次に、神や妖怪からすると人こそがONIと言う設定で、ONIの正体が明確に人だと判明し、おなりは憎き人の子として追放される。

これは、分かる。

その次、鬼月が実は、赤い月によって神や妖怪が影響を受け、負の感情が具現化してONIが生まれると言う設定が、分かるのだが、問題がある。

人側のショッピングモール開発と言う鬼の所業は、劇中ではカルヴィンの機転で偶然的に中止になったが、かなり納得感が弱い。

また、過去に人の山間部開発で家族を失った神々山の憤りは何も解決しておらず、風太郎達が人の町を襲わない理由は、実は完全には無くなっていない。

なりどんのONI化も、おなりが娘であり続ける宣言をし、神々山の仲間として受け入れられた事で恐れが無くなった事が分かるが、そもそも風太郎に洞窟に閉じ込められ、おなりの為に脱出する流れでONI化している流れが急で、なりどんが言葉を話さない事で何を恐れたり憎んだ結果にONI化して神々山を攻撃したのかが掴みづらい。

劇中でなりどんが最も自己犠牲的で優しい様に描かれている事で、なりどんがなぜ最初にONI化するまでに鬼月の影響を受けたのかも違和感があり、どう考えても風太郎が最初にONI化して然るべき演出が繰り返された末になりどんが突如敵として立ちはだかる展開は、勢いで見れてしまうが、何かが引っかかる。

なりどんが持つ義理の娘を失うかも等の恐怖心が劇中最も強い事でONI化が早かったのかもだが、それでも人を憎み兄の裏切りに絶望する風太郎の方が、ONIに最初になるのに相応しく思てしまう。

  • なりどんとおなりの義理の父娘の絆の物語
  • 神々山と人の世界の深い確執の物語
  • 鬼月の影響を受ける神や妖怪の問題の物語
  • ガイジンと見られても生きたい場所で生きる決意を固める物語

と、その辺が混ぜられた状態で、一見すると整合性が取れている様で各要素が微妙に取りこぼされると言う状態に見えるわけだ。

こう言ったメインテーマ群が一つに絞られ、最優先されたテーマを中心にして、描き切れない要素を削るか調整してくれれば、物語としては、より満足感が高くなると感じた。

終わりに

映像が凄いのと、なりどんとカッパとダルマが可愛かった。

映像がコマ送り感が強いのは、わざと?

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