こだわりが力になる

こだわりが力になる

こだわりとは、一種の愛の発露である。

愛とは、能動的に、自発的に、自由意志から、物や時によっては自己を犠牲にしてでも、愛する対象を守ろうとさせる。

その為、譲れない愛に繋がる行動原理を持つと、その行動が取れる場合、行動や選択の基準に愛と言う絶対基準が介在するので、極端なアクションが可能となり、それだけでも強力な武器となる。

それだけでも十分強いが、こだわりを周囲に押し付けが可能だと、押し付けられた周囲は、こだわりに振り回され、うっかりこだわりを破ってしまえば愛する物を守ると言う強い意志力の「バフ」がのった状態の相手と戦う事になる。

こだわりの上では当然強く、こだわりを破っても強い。

そんな状態の相手に勝つ為には、こだわりの上で圧倒する、つまり、愛の大きさ勝負で勝つか、守るべき愛を揺るがすか、愛ゆえに戦えない状況を作る様な、からめ手が有効となる。

この記事では、そんな「こだわりの押し付けが成立すると強くなる」タイプのキャラクターが活躍する作品を紹介していく。

けものみち（2017）

＜内容＞

ケモノが大好きなプロレスラー・柴田源蔵は、突如、異世界に召喚されてしまう。源蔵は姫に魔獣を退治して欲しいとお願いされるが、それに怒った源蔵は姫に必殺のジャーマンスープレックスをキメてしまうのだが!?

主人公の源蔵が、「獣」と「プロレス」に対して強いこだわりを持っていて、その範囲では無敵の強さを発揮するコメディ。

呪術廻戦（2018）

＜内容＞

類稀な身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁（いたどりゆうじ）は、病床に伏せる祖父の見舞いを日課にしていた。だがある日学校に眠る「呪物」の封印が解かれ、化物が現れてしまう。取り残された先輩を救う為、校舎へ乗り込む虎杖だが!?

死滅回游編で仲間になる髙羽史彦が「お笑い」に対してこだわりがある。

術式の超人（コメディアン）が、髙羽自身も術式を把握していないが、高羽が「ウケる」と思った事を実現する形で、相手をお笑い空間に引きずり込むもの。

術式効果でお笑い空間のルールに沿った行動を強制（恐らく、領域展開せずに常時必中）させ、高羽への攻撃は全て笑い事で済む様に無かった事にされ、高羽の対戦者は高羽をお笑い空間で満足させ術を解いて貰うか、一方的に蓄積するダメージで限界を迎えるかの二択を迫られる。

高専側に高羽をぶつけられた羂索は、特級叛霊悪路王大嶽をトラックで秒殺されたり、コントに付き合わされたりと大苦戦を強いられた。

設定では、やり方次第で五条先生に匹敵する強さと開示されていたが、羂索戦のカオスを目の当たりにするまでは、多くの読者が設定を甘く見ていた。

HELLSING／ヘルシング（1998）

＜内容＞

英国を異教徒から守る王立国教騎士団、通称HELLSING機関。そこには人間の主に飼われた吸血鬼がいた。巨大な2丁拳銃を操る正真正銘の化け物の名はアーカード。そして究極の化け物に挑む究極のウォーモンガー、ナチスの亡霊、少佐。戦場と化した英国を舞台に究極至極の戦いが幕を開ける！

主役のアーカードが「人間と化物」と言う概念にこだわりを持っている。

劇中、ライバルのアンデルセン神父は、こだわりバトルで怪物と化し最終的に敗北するが、少佐は怪物の力を使いつつも人間である事にこだわりアーカードに一時的とは言え勝利する結末が描かれる。

魔法少女にあこがれて（2019）

＜内容＞

わたし、柊うてなは魔法少女が大好きなごく普通の少女☆
ある日、変身する力を与えてくれそうなマスコット的なやつに出会って不思議な魔法をかけられちゃった！
これでわたしも魔法少女に――と思ったらえ？なにこの格好？
悪の組織の女幹部ってどういうこと！？
これからわたしどうなっちゃうの～～～！！？

魔法少女ファンの心優しい内気な少女がサディスティックに大変身！！？
正義と悪の激しいSMプレイ(！？)スタートです！！

主人公のうてなが「魔法少女」に対して強いこだわりがあり、こだわりが絡む事で力を発揮するが、同時に弱点となる事もある。