コラム

「少し考えれば分かること」が分からないタイプ。予測能力欠損型のバカについて

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「そんな事したらこうなるって分かるだろう」

と言うシーンは、良くある。

しかし、起きている時は、本当に分からない物だ。

わざとではない。

嘘でもない。

責任逃れでもない。

本人は本気で「予想していなかった」のである。

この種の失敗は、予測可能性によってバカかどうかが別れて来るが、バカな失敗をする側の人間を見ていると、分かる事がある。

無知とも違う。

無智とも違う。

臆病とも違う。

別の欠損が見えてくる。

それが、予測能力欠損型のバカと言う事だ。

要は「少し先を考える能力が極端に弱い人」である。

無知ではなく、予測の問題

このタイプは、知識量とは必ずしも関係ない。

学歴が高い人にもいる。

頭の回転が速い人にもいる。

専門知識が豊富な人にもいる。

それでも、次の一手を考えられない。

例えば、

  • 会社で暴言を吐く。
  • SNSで違法行為を自慢する。
  • 借金を借金で返す。
  • 浮気相手に本妻の悪口を送る。

こういう物だ。

  • 録音されている可能性を考えない。
  • スクリーンショットを考えない。
  • 返済可能なプランを考えない。
  • 発覚後の対応を考えない。

知識が無いわけではない。

だが、結果まで思考が繋がっていない。

原因と結果を繋ぐ回路が弱い

このタイプの特徴は、思考が「一手で止まる」事だ。

例えば、「怒った」で終わる。

普通の人は、

怒った

言う

揉める

信用を失う

仕事に影響する

影響の連鎖を、未来を、先まで出来るだけ考える。

そうする事で、リスクを回避しようとする。

しかし予測能力欠損型は、

怒った

言ってスッキリする

で終わってしまう。

だから行動する。

そして後で驚く。

まるで、予期せぬ未来が突然発生したかのように。

だが実際には、突然湧いた未来ではなく、現在の延長線の上にある未来しか来ない。

「今」の圧力に負ける

このタイプは未来が見えないというより、今の重みが強すぎると言える。

  • 怒り
  • 欲望
  • 面倒臭さ
  • 快楽
  • 承認欲求

これらが目の前に来ると、未来へのシミュレーションが停止する。

例えば、

  • ダイエット中なのにケーキを食べる。
  • 締切が近いのに遊ぶ。
  • 今月苦しいのに散財する。

全部同じ構造だ。

未来の自分より、今の自分が優先され、未来は考えないか、想像もつかない。

なぜ「少し考えれば分かる」が通じないのか

よく、「少し考えれば分かるだろ」と言われる人がいる。

そう言う人は実際、暗黙の了解で皆が考えている「少し」を考えていない。

誰も「少し考える事が当たり前」と教えていないし、当人が思い至らず、気付いていないからだ。

つまり、能力以前に、その工程自体が発生していない。

将棋で言えば、一手先を読む以前に、盤面の全体を見る前に、動かしたい駒を動かしてしまう様なもの。

だから説教しても改善しにくい。

本人は、考えた結果間違えたのではなく、考える工程そのものを飛ばしているし、考え方を分かっていなかったり、出来ない事さえある。

頭の中の事は、他人からは見えないからだ。

創作で描く時のコツ

このタイプを描く時、単純な低知能にしない方が面白い。

むしろ、何かしらの能力が高い方が映える。

例えば、

  • 天才研究者。
  • 凄腕営業。
  • 有能な軍人。
  • 人気芸能人。

こういう人物が、「二手先を考えない」だけで物語は、おかしな方向に動く様になる。

このタイプの言葉

予測能力欠損型には、色々とお約束なセリフがある。

  • そんなつもりじゃなかった
  • まさかこうなるとは
  • 誰も教えてくれなかった
  • そこまで考えてなかった
  • こんな大事になるとは思わなかった

これらは、どんなバカみたいな事や、醜悪な事でも、驚く事に嘘ではない場合がある。

本当に考えていなかった。

だからこそ、やってしまった。

そして、構造的に何度も繰り返す危険を孕む。

ただの悪人よりも危険な存在

創作の多くでは悪人が問題を起こす。

しかし現実では、悪意より予測不足の方が被害を出す事がある。

悪人でも、大半の人は最低限の計算をしている。

だが予測能力欠損型は、結果を予想しないので、損得勘定を無視した結果を平気で起こす。

これは、ある意味でブレーキの壊れた車のようなものだ。

どこへ突っ込むかなんて、本人にも分からない。

だから周囲は日常的に疲弊するし、被害を受ければ怒り、相応の罰を与えようとする。

それに納得がいかないと言う感情を持つのは、やらかした本人のみだ。

このタイプの本質

結局のところ、このタイプのバカを表すなら、頭の中に「未来が存在しない人」である。

良くも悪くも、「今」しかない。

もちろん未来と言う概念を知らないわけではない。

頭では知っている。

だが意思決定の瞬間や、感情的になると、途端に未来が計算や計画に入らない。

だから、毎回、初めて失敗したように驚く。

当たり前の判断材料を無視して、驚くべき結果を出してしまう。

その結果、想定外に巨大な後悔をする。

その結果困った事になるが、それを見ていた周囲は当然思う。

「いや、それは最初から分かっていただろう」と。

予測能力欠損型のバカとは、知識の不足ではない。

多くの人が当たり前に出来る範囲の知識と結果を結び付ける能力が、何故か極端に下手糞な、人間なのである。

未来への不安で行動出来なくなる事にも問題はあるが、当たり前の失敗を予測出来ずに重大事件を起こす様な場合は、迷惑な存在でしかなく、行動しない方が周囲としてはマシまである。

無能な働き者は、敵でも味方でも迷惑なのだ。

浅慮が過ぎるのは、かなり危険と言う事だ。

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