「準備不足だった。」
失敗した時によく聞く言葉です。
むしろ、失敗とは準備不足の結果起きるとも言えます。
- 試験に落ちた。
- 面接に失敗した。
- 起業で苦戦した。
- 移住先で問題が起きた。
- 創作活動で締切に間に合わなかった。
様々な場面で使われます。
しかし、準備不足という言葉には少し厄介な特徴があります。
準備不足は確かに問題です。
一方で、人間は未来を完全には予測できません。
つまり、
- 準備不足は悪い
という話と、
- 完璧な準備は不可能
という話が同時に成立しているのです。
では、準備不足の罪とは何なのでしょうか。
目次
準備不足自体は、罪でなく状態
最初に整理しておきたいことがあります。
準備不足そのものは、当然、犯罪ではありません。
道徳的な悪とも限りません。
単に、当人や周囲が迷惑を被るだけの事。
準備不足とは、必要な準備量に対して、実際の準備量が足りていない状態を指します。
つまり本質的には、ただの状態です。
しかし、その状態によって、程度や状況により、様々な不利益が発生します。
そして多くの場合、人はその不利益を「準備不足罪」と漠然と感じています。
そんでもって、この罪は、印象として結構重い物です。
完璧な準備は存在しない
例えば海外移住を考えましょう。
- 言語を学ぶ。
- 法律を調べる。
- 文化を学ぶ。
- 住居を探す。
- 仕事を探す。
- 税制を調べる。
- 医療制度を調べる。
やるべきことは大量にあります。
しかし実際には、
- 現地に行かなければ分からないこと
も山ほどあります。
- 近所の雰囲気。
- 役所の対応。
- 職場文化。
- 人間関係。
- 治安。
こうしたものは事前調査だけでは限界があります。
つまり、
- どれだけ準備しても未知は残る
のです。
これは移住だけではありません。
- 結婚もそうです。
- 起業もそうです。
- 子育てもそうです。
- 創作活動もそうです。
完璧な準備は、難しい。
それでも準備不足にはペナルティが存在する
ここで重要なのは、
- 完璧な準備が不可能であること
と
- 準備不足にペナルティが存在すること
は別問題だということです。
例えば移住先で、
- 必要な在留資格を取得していなかった。
- 必要書類を準備していなかった。
- 現地法を調べていなかった。
こうした場合、
- 役所で手続きが止まるかもしれません。
- 就労できないかもしれません。
最悪の場合、
- 強制送還や法的処分の対象になることもあります。
世界は、「知らなかった」を免罪符にしてくれません。
運が悪かった場合であっても、知らなかったで済まされないのが、この世界です。
現実は努力量ではなく結果で判定する
人が準備不足に厳しく感じる理由はここにあります。
- 本人がどれだけ頑張ったか。
- どれだけ苦労したか。
- どれだけ忙しかったか。
それとは別に、現実は結果で判定される部分があります。
- パスポートを忘れた。
- 飛行機には乗れません。
- 締切を過ぎた。
- 応募できません。
- 必要資格が無い。
- 就職できません。
そこに悪意があるかどうかは関係ありません。
現実のルールは感情ではなく、達成・未達成した条件で動くからです。
準備不足にも種類がある
しかし全ての準備不足を同じに扱うのも乱暴です。
準備不足は、大きく分けると三種類あります。
① 予測困難な準備不足
誰にも予想できない問題です。
- 災害。
- 突然の制度変更。
- 予測不能な事故。
これは仕方がない部分があります。
責任を問うのが難しいケースです。
そして、周囲も準備不足罪で追及は、あまりしてきません。
どう考えても、完璧な準備のしようがない状況だからです。
② 現実的に対応困難な準備不足
準備が必要な事は、知っていた。
- しかし時間も資金も足りない。
- 人手も無い。
- 能力も足りない。
こうしたケースです。
問題は認識していたが、解決できなかった。
責任はゼロではありませんが、単純な怠慢とも言えません。
なので、人によって準備不足罪で責めるポイントも変わってきます。
③ 明らかに回避可能だった準備不足
- 調べれば分かった。
- 確認すれば分かった。
- 事前に対処できた。
しかし、それをしなかった。
一般的に最も厳しく評価されるのはこれです。
この場合、自分自身も含めて満場一致に「準備不足罪」を責めるなり、愚か者だと感じます。
準備不足の本当の問題
実は準備不足そのものが問題なのではありません。
本当の問題は、未来のコストを現在に支払わなかったこと、にあります。
- 勉強しなかった。
- 後で困る。
- 調べなかった。
- 後で困る。
- 準備しなかった。
- 後で困る。
準備とは、未来の問題を前倒しで処理する行為、とも言えます。
だから準備不足の代償は、未来でまとめて請求されます。
なので、この未来で発生するコストを踏み倒そうとしても、準備不足罪は重くなります。
創作でも同じことが起きる
創作活動も例外ではありません。
- プロットを作らない。
- 中盤で破綻する。
- 設定を整理しない。
- 矛盾が発生する。
- 資料を調べない。
- 読者に違和感を与える。
もちろん全てを事前に防ぐことはできません。
しかし、後から発生する問題の一部は、ちょっとした事で、前倒しで処理できます。
だから準備不足は、後工程への借金とも言えます。
必要なコストを払わなかった結果が、作品評価に乗って帰ってくるのが創作の世界です。
「準備し過ぎ」という問題もある
ここで逆方向の問題もあります。
- 準備だけして行動しない。
- 永遠に調査する。
- 永遠に勉強する。
- 永遠に計画する。
これは別の形の失敗です。
なぜなら、準備は本番の代用品ではない、からです。
- 移住の準備を十年しても移住しなければ経験は得られません。
- 小説の設定を十年作っても投稿しなければ読者の反応は得られません。
準備の精度を高めるのには、限界があります。
どこかで、準備不足罪を恐れず、未来にコストを払わされる事を恐れず、未知に飛び込む必要があります。
準備不足罪とは何か
本質は、準備不足だから悪いではなく、準備不足によって発生する不利益を引き受けることになるという話です。
現実は罰を与えているわけではありません。
ただ条件を満たしていない結果が返ってくるだけです。
そして、準備不足罪とは、事前にコストを払っておかなければならなかった人が払わなかった結果、周囲に不利益が発生した際に、被さってくる物と言う事になります。
まとめ
準備不足は、可能なら避けるべきです。
しかし完璧な準備は存在しません。
未知は必ず残ります。
だから人生は「準備するか、しないか」ではなく、「どこまで準備して、どこから未知を受け入れるか」の問題になります。
準備不足には確かにペナルティがあります。
- 移住なら生活苦。
- 事業なら赤字。
- 創作なら破綻。
- 時には法的問題すら起きます。
しかし同時に、
全てを準備してから動くこともできません。
準備不足の本当の罪とは、完璧でなかったことではありません。
避けられたはずの問題を避けず、その代償を未来に先送りしたことです。
そして準備の本当の価値とは、未来の苦労を減らすために、今の自分が前払いをしておくことと言えます。
準備、しましょう。
とりあえず、未来の自分の為に。
一度だけ寄付する
毎月寄付する
毎年寄付する
金額を選択
またはカスタム金額を入力
寄付していただきありがとうございます。
寄付していただきありがとうございます。
寄付していただきありがとうございます。



