コラム

人生の重力をコントロールする方法の話

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意思の力でなく、引力の設計で人生は変わる?

前回の記事では、人は「正しい目標」ではなく、「最も引力の強い目標」に向かって動くという話をした。

夢や理想があるのに動けない。

やるべきことが分かっているのに続かない。

能力はあるのに変な方向へ努力してしまう。

こうした現象は、当人の意思の弱さや、チャレンジする対象の難易度だけでは説明できない。

単純に、そちらの方が引力が強かったと見ると、分かりやすいのである。

では、実際には、どうすればいいのか。

そこで、人生を変えたいなら、自分を変える前に重力を変える必要があると言う話を今回は深掘る。

第一原則

意志で飛ぼうとするより、重力を変えろ

多くの自己啓発は、

  • 頑張れ
  • 耐えろ
  • 我慢しろ

等と気安く言う。

しかし、よ~く、今一度、考えてみてほしい。

地球の重力が存在する状態で、「空を自由に飛べ」と言われても難しい。

そりゃあ、一瞬ジャンプはできる。

だが、すぐに落ちる。

人間も同じである。

仮に空を飛ぶ翼があるとしても、延々と飛び続ける事は鳥でも難しい。

毎日努力が必要な状態は、毎日必死にジャンプしている状態に近い。

とても疲れる。

だから、発想の逆転が必要だ。

必要なのは、飛ぶ方の努力ではなく、結果的に落ちる先を良い感じに変える努力である。

方法①

目標を近付ける

遠い目標は引力が弱い。

例えば、「作家になる」という目標があるとする。

これは、そこまで積み上げてきた物が無い場合は、恐らく多くの人にとって大きすぎる。

遠すぎると、まるで存在感、実感がない。

しかし、「今日は144文字書く」になると話が変わる。

かなり距離が縮まる。

その目標への引力が発生し、それは体感も出来るだろう。

人間は未来に向かって行動しているようでいて、実際には今見えているものに反応しているのが大半だ。

だから巨大な目標ほど、飛んで落ちてを繰り返す事が出来る様に、行程を細かく分解した方が良い。

遠い場所ではなく、目の前の道や階段に、まずする事だ。

方法②

目標を見える場所へ置く

存在を忘れた目標は、その引力を失う。

例えば、

  • 本棚の奥の参考書
  • フォルダの中の企画書
  • 押し入れの筋トレ器具

これらは重力源としては弱い。

カスだ。

視界から消えるからである。

逆に、

  • 机の上
  • スマホの待ち受け
  • 壁のメモや習字による決意表明

などは強い。

ああ言うのは、重力の維持と言う意味で、しっかり意味がある。

毎日、嫌でも目に入る。

重力源が常に存在を主張する。

環境設計は重要だ。

人は思った以上に、見えているものに、露骨に引っ張られている。

方法③

感情を接続する

理屈だけだと、動機として弱い。

しかし、感情が乗ると、動機は強くなる。

例えば、

  • 「健康のために痩せる」

は理屈である。

その方が良いと分かっていても、それを実行出来る人は少ない。

しかし、「好きな服を着たい」なら、感情である。

「将来のために勉強する」より、「見返したい相手がいる」の方が、動機として強い場合もある。

善悪は別として、人間を動かすのは、いつだって本気の感情である。

だから目標に感情を接続すると、重力が増す。

これを無視しては、重力は操れない。

  • 好き。
  • 悔しい。
  • 憧れる。
  • 楽しい。
  • 怒っている。

感情の中身は、強力であれば、何でもいい。

感情がある目標、重力が強くなる。

方法④

行き方を明確にする

目標が遠く感じる理由の一つは、行き方や道が見えないからである。

例えば、「金持ちになる」は、事情に曖昧だ。

だが、「月1万円多く稼ぐ」になると、現実味が増し、具体的になる。

だが、それだけだとまだどうすれば良いかで迷いが出る。

例えば「不用品を売って」とか「バイトをして」と条件を絞ると、それが最適解かは分からないが、具体的になった分だけ行動がしやすくなる。

これは、重力が強くなると言う事でもある。

脳は望まぬ未知を、かなり嫌う。

分からない道より、知っている道を選ぶ。

だから目標設定よりも、次の一歩を明確にする方が、重力操作の効果が高い。

方法⑤

小さな成功を量産する

成功体験は、重力を生む。

一度結果が出た道は、自然に引き寄せられる。

なぜなら、「また出来そう」に、精神がなるからだ。

逆に失敗経験しかない目標は、そもそもの重力が弱くなる。

だから最初から大成功を狙わないで、まずは失敗を、失敗のリスクを乗り越え、小さな成功を作る。

144文字書く。

1回で良いから運動する。

1人に対し営業し動かす。

1作品無理やりでも完成させる。

こうした、小さな、完璧には程遠い成功体験が、徐々に重力の井戸になる。

そして次の行動を引き寄せ、それがまた重力を強める事になる。

方法⑥

邪魔モノの重力を弱める

多くの人は、良い目標へ向かう力を、とりあえず強化しようとする。

しかし実際には、悪い重力を弱める方が、簡単なことも多い。

例えば、

  • SNS。
  • 動画。
  • ゲーム。
  • ギャンブル。
  • 無限スクロール。

これらは、嫌らしくも強力な重力源となり得る。

実際、そうなっている人は世界中にいる。

だからこそ、それと戦わない。

両立も考えない。

  • 距離を取る。
  • 通知を切る。
  • アプリを消す。
  • 視界から外す。

近くにブラックホールがある状態で、遠くの夢へ向かうのは、とても難しい。

まずはブラックホールを遠ざける。

消せるなら、消してしまう方が、最短距離で引かれたい重力源に落ちていける。

方法⑦

周囲の人間を変える

人間も重力源である。

  • 努力家の近くにいると努力しやすい。
  • 愚痴の多い集団にいると愚痴が増える。

犯罪組織が人を引き込めるのも同じである。

人は思った以上に、周囲の引かれる方へ落ちていく。

だから環境は、とても重要になる。

人は、他人の中身を変えられないし、自分を簡単にも変えられない。

だから、付き合う人を変えるしかない。

意思が強い人が成功するのではない。

成功しやすい重力圏にいる人が成功するのだ。

そう考えた方が説明しやすい現象は多い。

方法⑧

後押ししたい人間を目指す

人が目標に向かう時、自力だけで行こうとしない方が良い。

ご存知の通り人には、生まれ持った翼が無い。

慣れない翼で落ちたい重力に乗って引っ張られ、目標に向かって落ちていく。

その時、自力だけでは、重力に掴まる事が出来ず、正しい努力をしていたのに辿り着けないとか、失速して変な所に落ちる事は珍しくない。

そんな時、重要となるのが、後押しだ。

追い風、追加ロケット、そう言う物が最初の一押しや、重要な場面での一押し、最後の一押しとなる。

では、後押しされるには、どうすれば、と言うと、後押しを周囲がしたくなる様な人間になる以外に無い。

性格、能力、目標、何が誰に刺さるかは分からない。

だが、押して貰えないだけならともかく、邪魔をされる様な人になれば、目標は更に遠のくだけだ。

ならば、結果的にでも後押ししたくなる人であろうとする方が、万倍賢い選択と言えるだろう。

これは重力源の再設定と言うよりは、目標に辿り着く為に、今いる重力源を離れ、行きたい重力源を捕まえる為のテクニックと言えるだろう。

重力設計の本質

ここまでをまとめると、

目標の引力は、

  • 見えている
  • 感情が動く
  • 距離が近い
  • 行き方が分かる
  • 成功体験がある
  • 周囲が協力的
  • 周囲が協力したくなる

ほど強くなる。

逆に、

  • 見えない
  • 感情が動かない
  • 遠い
  • 方法が不明
  • 成功体験がない
  • 周囲が非協力的
  • 周囲が協力したくない

ほど弱くなる。

つまり、人が人生を変えるのに、今のダメな自分を責めたり、無理に自分を理想的に変えようと努力することは、効率的とは言えない。

目標に向かって落ちていける様にと、狙っての重力の再配置によって、楽に成し遂げられる。

最後に

「もっと頑張ろう」という発想は、分かりやすい。

誰にでも出来る助言だし、誰にでも当てはまる。

しかし、それだけでは、多くの人には限界がある。

人間は意思で動いているように見えて、実際には重力に引き寄せられているだけの部分が大きい。

だから人生を変えたいなら、

  • 気合
  • 根性
  • 努力

より先に、何が自分を引っ張っているのかを調べるのだ。

そして、行きたい場所の重力を強くし、行きたくない場所の重力を弱くする。

それを繰り返す。

するとある日、

昔は苦労していたことが自然にできるようになる。

努力して飛んでいたのではない。

ただ、自然に落ちていく先が変わったのである。

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