コラム

「当事者意識を持て」と言われても困る人への提案。無理なくスイッチを入れる4つの具体的アプローチ

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

職場やプロジェクトで「もっと当事者意識を持って取り組んでほしい」と言われたことはないでしょうか。

ただ「自覚を持とう」と意識を鼓舞されたところで、具体的にどうすれば当事者意識が湧いてくるのか分からず、困惑してしまうことも少なくありません。

前回の記事でお話しした通り、当事者意識はあらゆる場面で常に100%持っている必要はありません。

状況や役割に応じて「オン・オフ」や「強度の調整」をするのが健全です。

では、

「この場面では当事者意識を持ったほうが合理的だ」

「自分のために当事者意識を獲得したい」

と思った時、どのようにして意識を切り替えればよいのでしょうか?

実際問題、難しい人がいたり、難しい事でもありますが、出来るだけ精神論に頼らず、具体的に当事者意識を獲得・起動するためのステップを解説します。

1. 「自分の利害(メリット・デメリット)」と紐づける

当事者意識が持てない最大の理由は、対象となる出来事が「自分と無関係(他人事)」だと認識されているからです。

これを解消する最も手軽な方法は、客観的に自分の利害関係を見つけ出すことです。

  • スキルの獲得:「この課題を解決すれば、自分にどんな技術や実績が残るか?」
  • 手間の削減:「いま放置して悪化したら、将来自分がどれだけ面倒な対応を迫られるか?」
  • 評価や環境:「これが成功したら自分の立ち位置はどう良くなるか?」

等、「会社や他人のため」ではなく、「自分のキャリアや都合のためにこれを利用する」という視点(私利私欲の接続)を持つことで、自然と関心の度が上がります。

自分の事で当事者意識を持てない人でも、こういったモチベーションを持たせる事に成功すれば、当事者意識を持ったのと同じ様な状態に持って行きようがあります。

2. 全体像を「分解」し、最小の行動単位(一歩)を作る

対象となる問題やプロジェクトが巨大すぎたり抽象的すぎたりすると、人は圧倒されて他人事(自分にはどうしようもないこと)として処理しがちです。

目的地が遠くても、近くても良く見えなくても、そうなります。

当事者意識を持つためには、問題を小さく解体することが不可欠です。

  • × 抽象的な認識:「このプロジェクトの売上を伸ばす」
  • 〇 解体した認識:「まずは来週の提案資料の『市場データ』の3行だけを自分が完璧に調べる」

「自分がコントロールできる範囲」まで解像度を下げて具体的な行動に落とし込むことで、「これは自分が動かす領域だ」という実感が芽生えます。

自分が影響を与えられる、理解出来る、範囲を刻んでいく事です。

3. 「小さな決定権」を自分で握る

当事者意識(Ownership)は、指示された作業をそのままこなしている状態(受動的意識)では発生しません。

「自分で選択し、決定した」という感覚(能動的意識)があって初めて生まれます。

たとえ大きな方針は決まっていたとしても、細部の進め方や手法において「自分の意思で選ぶポイント」を作りましょう。

  • 「このタスクの順序は自分のやりやすい順番に変える」
  • 「資料のデザインやトーン&マナーは自分の美意識で統一してみる」

「自分が決めた」という感覚が少しでもあると、その結果に対する責任と関心が自然と高まります。

それを沢山持つ事で、自分が受け持った所だけでも当事者意識を持つ事が出来ます。

4. 「もし自分が責任者だったら」という仮定(If)を立てる

立場として当事者ではない場合でも、トレーニングとして当事者意識を一時的に獲得したい場合は、「役割の仮定」も有効です。

  • 「もし自分がこのチームの責任者なら、今日の会議で何を決定するか?」
  • 「もし自分がこの作品の監督なら、この演出の違和感をどう修正するか?」

これは必ずしも表立って口に出す必要はありません。

自分の中の「シミュレーション」として問いを立てるだけで、観察者・傍観者の視点から一歩踏み込んだ当事者としての分析視点(当事者型の観察眼)が得られます。

当然、当事者意識を持っている人とでは差が生まれる事もありますが、当事者意識を持っていても当事者視点を持てない人もいるので、まあ、意識を持つと言う目的を達する点では失う物は何も無いでしょう。

まとめ:当事者意識は「精神論」ではなく「自然な状態」だったり「技術で寄せる物」だったり

当事者意識は、気合や性格の問題ではなく、「自分との接点を見つけ、観察の解像度を上げ、選択権を持つ」というアプローチ(技術)によって意図的に、後天的に獲得できるものです。

当然、自然にそう言う状態であれば、自然と当事者意識を持てる物です。

持てていないのは、それが自然な状態と言うだけで、それを技術によって自然な状態に持って行く事が出来るわけです。

当事者意識に振り回されている場合、状況に合わせてオン・オフや強弱を使いこなすツールとして、試しに捉えてみてください。

物語る工房をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む