目次
最後で泣いちゃった
コツコツ見ていたネットフリックス配信アニメ「アルカディア物語」シリーズの
- 「トロールハンターズ」
- 「ミッシング・スリー」
- 「ウィザード」
- 「トロールハンターズ ライジング・タイタンズ」
を見終えたので感想を。
安定して面白かったし、最後の最後が6シーズン見てた重みがあって、かなり良かった。
アルカディア物語シリーズとは?
ギレルモ・デル・トロ監督が原作の小説を執筆し、自身で3DCGアニメ化した作品だ。
監督の好きな物が詰め込まれているのは、大きな特徴と言える。
第一部が「トロールハンターズ」で、3シーズン(シーズン1のみ26話で2シーズン相当あるので、4シーズン)に渡って正義と悪のトロールの争いにトロールハンターと呼ばれる勇者に選ばれた人間の青年ジムや仲間達が巻き込まれていく。
第二部が「ミッシング・スリー」で、2シーズンに渡って異星の王位を巡る争いを、王位簒奪者から逃亡する姫と王子と騎士の3人を中心に描かれていく。
第三部が「ウィザード」で、1シーズン(全10話)で「トロールハンターズ」の黒幕である原初の魔法使い達が表で動き出し、それに対抗する中で900年前にタイムトラベルによって飛ばされ、トロールハンターズのキャラクターを中心として物語が描かれる。
そして完結編である「トロールハンターズ ライジング・タイタンズ」では、シリーズのキャラクターが結集して、原初の魔法使い達の野望を止めようと最後の戦いに挑む事になる。
シリーズ作品のキャラクターが別作品に登場したり集結したり、マーベルやDCのドラマや映画にある様な共通世界の物語をギレルモ・デル・トロ監督一人が作ったらこうなった作品と言える。
敵が味方になる展開が多い
敵が改心したり、共通の目標が出来たり、闇堕ち前の過去でバッタリ会ったり。
数多くのキャラクターが登場するが、完全な悪や独善的で話が通じないキャラクターの方が少なく、最初は敵として登場するキャラクターが紆余曲折あって仲間になるなんて事が多い。
ドラマチックなシーンやタイミングで、キャラが結構死ぬ
本シリーズは、基本的に子供向けの様な雰囲気で、普段はザコ敵ぐらいしか命を落とす事は無い。
なのだが、シーズンの終わりは、毎回油断する事が出来ない。
後で実は生きている展開もあるが、かなりの重要人物でも割と死ぬ。
そして、キャラクターが退場するシーンは、しっかり悲しく、泣ける。
スティーブ
全シーズンに登場する、登場当初いじめっ子のスティーブが、良い意味で雑な扱いをして許されるキャラクターとしてコメディリリーフとして活躍し、仲間として共に行動する様になってからも酷い目に遭いまくり、非常に面白い立ち位置。
トロールハンターズでは、イジメていた相手いじめられっ子のイーライと親友となり、コンビを組んでトロールとの戦いに巻き込まれる。
ミッシング・スリーでは、主人公の一人である姫のアジャと種族を超えた熱愛を演じる。
ウィザードでは、900年前にタイムスリップして、アーサー王の騎士ランスロット卿に師事して騎士となる。
そして、ライジング・タイタンズでは、まさかの7人の子供の産みの親となってしまう。
高校生の短い間に経験する事としては、あまりにも多彩かつ波乱万丈で、ポンコツなのだが、状況に流されながら常に適応して生き残っていく姿は、見ていて微笑ましい。
特殊能力ゼロで、運命にも世界にも選ばれていない存在なのに、戦闘でも一応役立つし、特殊な経験しまくりの人生。
と言うか、ラストの子供の描写が、スティーブとイーライのBL的な匂わせとか、ギャグだと思うが、結果的に悪い意味で典型的アメリカ白人の嫌な少年だったのが、宇宙人と子供を作って、男性で出産を経験し、同性とも愛情で結ばれるレベルでの多様性と経験値を身に着けると言うのは、色々と凄い。
泉水の女神とも、ちゃっかり友達になってたし。
マイナスからの成長だったので、劇中のキャラクターで最も成長した一人と言えるだろう。
ネタとしてもキャラとしても、かなり好き。
トビーちゃん
トロールハンターズの主人公ジムの親友、ふとっちょのお調子者、トバイアス・ドムザルスキーが、スティーブと同じく全シリーズに登場する。
スティーブとは別ベクトルでポンコツなのだが、やる時にはやる男として描かれていて、情に厚く自己犠牲的なキャラクターで、かなり愛せる。
トロールハンターズの中盤以降で、魔法のハンマーを手に入れてからは戦闘面でも活躍し、かなり良いキャラクターだった。
※ラストのネタバレを含む感想※
最後、ライジング・タイタンズで地球のリセットを目論む原初の魔法使いアルケイン騎士団の野望を止める事に成功するのだが、あまりにも多くの犠牲者が出る。
ストリックラーがタイタン相手に自爆をするが無駄死にで終わったり、「ウィザード」のラストから悲しすぎる展開が続き、最後の最後で世界を救う事に最も貢献したトビーがタイタンの瓦礫に潰されて死亡してしまう。
これまで多くのキャラクターの死を乗り越えてきたジムだったが、唯一無二の親友であるトビーの勇敢な死を受け入れる事が出来ず、仲間達も勝利したのに悲壮感に包まれる。
そんな時、未来視するアイテムに使われている時間操作を可能にする魔法の宝石をアミュレットで使えば、トビーを救えるのでは無いかと気付く。
ジムは魔法のアミュレットを使って時間を、物語の一番最初に巻き戻す決意を固め、生き延びた仲間達に別れを言い、大事な人が誰も死なない時間軸を作ろうと過去に旅立つ。
過去に辿り着くと、そこには何も知らないトビーがいて、ジムはもう一度世界を救おうと、効率的に動き始める所で物語は終わる。
このラストのトビーの死が、死ぬはずがないと見ていた事と、6シーズンもトビーの成長を見ていた事で、視聴者も喪失感が物凄く、かなり泣ける。
トビーが死なない世界線に辿り着くまでジムはループすると思うと、切ないけど胸が熱い。
長大なシリーズが実は、ループ物1周目の世界線だったわけだ。
デル・トロ・ワールド節
ヘルボーイにも登場したトロールマーケットや、トロールマーケットに通じる道を、石で壁に書いて扉を作るシステムのパンズ・ラビリンス感や、ミッシング・スリーの技術を使う事で登場した対タイタン兵器の超巨大ロボットのパシフィック・リム感とか、要所要所に監督の過去作で見た様な既視感があるモチーフが登場する。
これらが単体の映画でなく、長大なシリーズで様々な角度から描かれるので、監督の出したかった設定を別の角度から見ている様で、面白い。
終わりに
ミッシング・スリーの前半で正直言ってダレた時期もあったが、トロールハンターズシリーズのキャラクターが登場しているエピソードはどれも楽しく、シリーズトータルの満足度は非常に高かった。
好きなキャラクターは、断トツでトビーとアーのコンビ。
ストリックラーやモルガナと言った敵や味方に立場を変えるキャラクター達も非常に良かったし、ドラールも良かった。
あと、ドゥクシーとマーリンの師弟も好きだし、エクスカリバーを作った泉水の女神も好き。
もちろん、スティーブとイーライのコンビも良かった。



