ドラマ

【ネタバレあり感想】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪 シーズン1』を見ました。

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指輪が生まれる過程の物語

見終わったので、感想をば。

どんでん返しは、個人的には面白かった。

ロード・オブ・ザ・リング シリーズとは?

イギリスのファンタジー作家J・R・R・トールキン(ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン)によって執筆された1937年の「ホビットの冒険」を始まりとし、1954年の「指輪物語」まで続いた、同一世界を舞台としたファンタジー冒険小説と、それらを原作や原案とした作品群が、ロード・オブ・ザ・リングシリーズだ。

人以外にエルフ、ドワーフ、ホビット等の種族が国や集落を作って生きている世界で、サウロンと言うネクロマンサーが世界征服を狙って暗躍するのを、各種族の代表が立ち上がり旅の仲間を結成して、野望を食い止める物語である。

その中で、これまでのシリーズでは、サウロンによって作られた指輪の争奪戦が行われ、サウロン側は指輪の力を求め、味方側は指輪の破壊を目指し争う事になる。

力の指輪は?

今回のAmazonオリジナルドラマシリーズでは、力の指輪と言うタイトルながら、指輪が登場するのはシーズン1の最終である8話であり、そこで登場するのもエルフの指輪3個のみ。

物語の筋としては、サウロンを一度退けた平和な世界に再び魔の手が迫る中、サウロンの復活を阻止しようとするガラドリエル、暗躍するサウロン、運命に導かれ戦乱に巻き込まれる人々の葛藤と戦いが繰り広げられる。

複数視点で同時進行し、クライマックス近くで収束する物語

本作は、

  1. 独自に行動するガラドリエル
  2. 一族の為にミスリルを求めるエルフ
  3. ドワーフの国でのドワーフの王子ドゥリンと、若かりしハーフエルフのエルロンド
  4. 人を愛したエルフのアロンディルと、災厄に襲われる南国人の村
  5. 助けを求められる海洋都市ヌーメノールと、漂流者ハルブランド
  6. ハーフット達と謎の大男

と、およそ6視点の同時並行で描かれるのだが、サクサクと合流して8話の時点でハーフット以外は集合し切っている。

最初こそ、登場キャラが多い事と同時並行によって話の進行が遅く感じるが、見ていけばキャラは覚えられるし、話も盛り上がるのでその点では、まあまあ面白い。

主なキャラクター一覧

エルフ

  • ガラドリエル:メイン主人公。指輪物語にも登場しているし、生き残り確定。まさかの妹キャラ。兄の仇絶対殺すマンとなって、サウロンを狙い続ける。
  • エルロンド:こっちも指輪物語にも登場しているので、生き残り確定。後のシリーズではやらかしも目立つ。この頃は友情第一で良いヤツ。
  • 上級王ギル=ガラド:エルフの国第一の王様。
  • ケレブリンボール卿:エルフの鍛冶師。指輪作っちゃう。
  • アロンディル:南方国を監視するエルフ。監視対象のブロンウィンを愛してる。
  • フィンロド:ガラドリエルの兄で、サウロンとの戦いで死亡。

ドワーフ

  • ドゥリン4世:ドワーフの王子で、エルロンドの友人。
  • ディーサ:ドゥリンの妻。歌で岩山と対話し、鉱石のある場所や安全なルートが分かる能力がある。
  • ドゥリン3世:現ドワーフ王。ドワーフの国第一。

南方国

  • ブロンウィル:治療師の女性で、テオの母親。結構強いし行動力がある。
  • テオ:ブロンウィルの一人息子。邪悪な剣の柄を見つけ、魅了されるが根は悪い奴じゃない。
  • ハルブランド:ガラドリエルと出会う漂流者。南方国王の血を引くらしい。
  • ワルドレグ:ビビッてアダルに服従してしまう陣営代表。結果、酷い目に遭う。

ヌーメノール

  • ミーリエル:摂政女王。
  • エレンディル:海洋警備隊船長。
  • イシルドゥル:エレンディルの息子。成長株の一人。
  • エアリエン:エレンディルの娘。
  • アル=ファラゾーン:執政。人当たりが良いが野望を持っている。
  • ケメン:ファラゾーンの息子。

ハーフット

  • エラノール・ノーリ・ブランディフット:通称ノーリ。好奇心旺盛。
  • ポピー・プラウドフェロー:ノーリの親友。
  • ラルゴ・ブランディフット:車輪作りが得意なノーリの父。
  • マリゴールド・ブランディフット:ノーリの母。
  • ディリー・ブランディフット:ノーリの弟。
  • サドク・バロウズ:ハーフットの長。

その他

よそびと:ハーフットと旅をする事になる、隕石から現れた大男。不思議な力を使えるが記憶が無い。

アダル:オークに堕とされたエルフであるウルクで、オーク達の首領である尊父。オークを子供の様に愛し、オーク達の価値観でオークの理想郷を作ろうとしている。

最初のシーズン故かスケールが小さいが……

本シーズンのクライマックスは大きな戦になる物の、南国人の村を舞台にした小競り合いで、スケールが非常に小さく、その点ではスケール相応の盛り上がりしか起きない。

しかし、どんでん返しは非常に良かった。

実は、劇中の人物の中にサウロンが紛れ込んで密かに力を取り戻す為に暗躍していて、過去シリーズでは「炎の目」や「魔王」のスタイルが主だった存在の、別の姿の登場には「おおっ」となった。

ただ、大男を追ってきた奴らに関しては、ポンコツ過ぎだろ。

いくら何でも。

ポリコレ問題

本作は配信されるや否や、Amazonレビューが日本では閉鎖され、散々なスタートを切った。

私もレビューを書いたが、明らかに内容に問題が無いにもかかわらず、内容が不適切と言う事でレビューを却下されてしまった。

そんな事態が起きた原因の一つが、ポリコレ問題であり、劇中の設定無視に対する原作オタク達の嘆き問題だ。

エルフに黒人は合わないとか、ドワーフの女に髭が無いとか、そう言う原作設定を無視したキャスティングは、確かに視聴中は延々とノイズとなった。

だが、俳優の演技は上手いし、キャラも良いし、出来自体は決して悪くない。

その点では作品を評価できるが、それでも古典作品の原作設定を無視して、公式シリーズとして描く行為は、ポリコレ配慮は出来ているかもだが、原作ファンへの配慮に大きく欠けていた。

ポリコレ自体も、黒人起用は目立つがアジア系はシーズン1では皆無で、ポリコレ姿勢にさえダブスタを感じるのも、いただけなかった。

本作のポリコレ姿勢は、ハッキリ言って褒められた物では無いし、失敗している。

ポリコレによって起用された俳優達の良い演技は、俳優達の努力によるものであり、ポリコレが本作の面白さに寄与している部分は皆無と言って良い。

ポリコレキャスティングした奴は、少なくとも原作ファンには謝罪すべきだ。

だが、それとは切り離し、劇中で活躍したポリコレによって出演のチャンスを得て役を獲得し、演じきったキャスト達の演技に関しては、称えられるべきである。

その様な複雑な事になっているのが、明らかに本作ではマイナスに働いているのが、残念でならない。

原作配慮をしたポリコレ配慮をするのが、恐らく最も多くの人が納得がいく正解だ。

それが出来なかった時点で、制作者側の怠慢と傲慢が見て取れるのが、作品に負のイメージを与えているのが、悲しい。

終わりに

物語を純粋に見れば、普通に面白かったし、どんでん返しも盛り上がった。

まあ、名作の映像化なのだから、その点は信頼感があるし、その点で裏切られなかった。

ガラドリエルが兄の仇憎さにサウロン陣営に慈悲は無い殺戮マシン化しているのも、敵のアダルにツッコまれるのも良かったし、エルロンドとドゥリン4世の友情とか、サウロンの正体判明とか、良いシーンも沢山あった。

しかし、作品を取り巻く環境を見れば、レビュー欄閉鎖なんて対処をしたAmazonの姿勢もアレだし、ポリコレの使い方の下手さも非常に微妙だったり、嫌なケチが付いた印象も強いのも事実だろう。

ポリコレと言うノイズこそあるが、ノイズを無視すれば普通に面白いドラマと言うのが、最終的な感想だ。

ノイズが無ければ、もっと純粋に楽しめた事は言うまでも無い。

ポリコレを徹底した作品を作りたいなら、ロード・オブ・ザ・リングなんて設定的に都合が悪いビッグタイトルを利用するので無く「完全オリジナルで勝負して、どうぞ」と言うのが原作ファンの心理であり、真理である。

原作ファン向けな部分が少なからずあるのに原作ファンを蔑ろにしている姿勢は、明らかに制作側に配慮が欠けている点で、ポリコレに足を引っ張られた作品と言うのは、拭いきれないだろう。

しかし、繰り返しになるが、演じている俳優陣の演技は素晴らしい物なので、その点は切り離して見て貰いたい。

悪いのは中途半端にポリコレを意識したキャスティングで原作ファンに無配慮な制作をした、あるいは主導した誰かであって、それ以外の人は悪くない。

あくまでも、ポリコレはフィルターであって、作品そのものを歪める設定変更は悪手となるし、そう見えるキャスティングは作品のノイズになる。

今回の問題は、作品世界を軽んじている事に大きな問題がある。

例えば、海外で日本を舞台にした作品を作る場合、日本人では無くとアジア系を多用して作品世界を構築して本物っぽく見せるだろう。

その時、ポリコレだと言って、白人、黒人、アラブ系、ヒスパニック系、非アジア系人種を日本人としてキャスティングしては日本観が弱まる事は、外国の人だって分かる。

日本にだって非アジア系の日本人は間違いなくいるが、それを作品の中で出す場合は補足する設定がいる事も同時に分かる。

それが、フィクションの世界だからと、補足も説明もなく雑なキャスティングで人種を変えて「こういう世界」とした事が、往年のファンからすると大きな違和感となって、不満となって噴出したわけだ。

「こういう世界」が通用するのは、前提が無い状態か、それでも自然な状態の場合であり、アメリカを舞台に人種や性別が変わっても許容範囲内であるが、エルフやドワーフは単一民族的な描かれ方を長年して来た点では、単一民族国家っぽく描くのに文法は似ている。

そこに、人族以外の種族にも黒人俳優をキャスティングと言う風に無理やりすると、作品世界の設定や歴史的に見ても単一民族国家っぽかったのに、急に多彩になってリアリティに欠けると感じる人が出るのは、自然な事だ。

ポリコレは作品から不快を減らすかもしれないが、減らした分だけ増やす事はありえる物だ。

しかし、ポリコレをどんなに頑張って適応しても、作品はポリコレのおかげで面白くなる事は無い。

ポリコレはフィルターに過ぎない。

それを勘違いしているポリコレ好きは、作品第一、ファン第一、創作第一であり、ポリコレはそれらを調整する物だと良い加減理解して欲しい限りである。

余談だが、レビュー欄停止は悪手だと感じたし、内容を読まずにレビューを却下したAmazon検閲には憤りしかない。

自社コンテンツだからか過敏だったのか知らんけど、言論統制とかイメージが逆に悪くなるに決まってるじゃん。

内容で勝負して黙らせるまで事実陳列に耐えるか、そもそも下手なポリコレとかやめとけよと。

周囲の人(ポリコレ主導者、レビュー閉鎖決定者)によって要らないケチが付いたが、クリエイター、アーティスト、アクター、どれをとっても制作に実際に関わった人達からは熱量を感じる作品なので、ケチを付けた人達は、しっかり戦犯として扱いつつ、それ以外に関しては正当に評価して欲しい作品である。

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