力を持ち過ぎた組織が戦争さえ支配する世界
戦争とは、本来的にはコミュニケーションであり、外交手段である。
外国と自国の間で意見に折り合いが付かなくなった時に、自国の意見を通す為に暴力による解決を目指すのが、戦争だ。
つまり、戦争とは、本来的には、暴力で相手を支配する為の手段と言える。
そんな戦争だが、実際に起きたり準備が必要となると、そこでは技術革新が急速に起き、文明の発展に貢献する基礎技術が実証実験されたりもする。
更に、戦争が実際に起きれば戦争に必要な物の価値が上がり、需要も増え、戦争特需と呼べる物が一定の経済圏に起きる。
つまり、戦争が起きると、経済活動として大きく儲かる人々がいるわけだ。
昔であれば、武器の職人が儲かり、大昔なら剣や盾に価値があったし、鎧は現代の感覚で言うと車の様に高価な物で、ステータスでさえあった。
弩職人や刀剣職人や鎧職人が時代の最先端だった時代があるのだ。
時代を経て戦場の主役が銃や戦車、戦闘機や戦艦となると、高度な武器を作り売る武器の会社や商人が大きく儲かった。
そして現代、ドローンの急速な武器化が進み、インターネットでは情報戦が繰り広げられ、一般人が応援する国に寄付をして武器を買う金を提供したり、NFTアートで武器を買う金を国が集めて一般人がアートを買うなんて事になり、戦争特需は武器商人や軍需物資関連の企業に留まらない上に、他国の一般人が安全に間接的に戦争に参加出来るまでになっている。
軍隊の在り方も、プライベート・ミリタリー・カンパニー、通称PMCの一般化によって、国に属さず企業に属して戦争に参加すると言う選択肢が一般化しつつある。
そう言った流れから、昔から、力を持った企業が本来副産物である戦争によって得られる利益を目当てに、戦争を操作すると言う事が在り得ると考えられてきた。
暴力によって相手に意見を無理やり飲ませる事が主目的とされず、戦争に対して外野である組織による支援や援助と言う、両者へのパワーバランス調整が”ワザと”行われる事で延々と終わる事が無い様にデザインされた、持続可能な計画的戦争。
そんな「制御された戦争、企業等に操られる戦争」等と捉えられる、安全地帯にいる権力者に管理下に置かれた、戦争を本来の手段とは別の目的に使った戦争が劇中で描かれる作品を、この記事では紹介していく。
“「制御された戦争、企業等に操られる戦争」要素登場作品特集” の続きを読む